夜露乳首金玉崩壊日記

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偽没落貴族、怨嗟、希望は絶望以上に役に立たない、「道徳的責任」、

瀬那十五年四月三十日 

 

吐き気に襲われたのは二〇分ほどあとのことだ。すでに消化が始まっていた。したがって、栄養学的には食べたものがまったく無駄になったわけではない。

マンシェット『愚者が出てくる、城寨が見える』中条省平・訳 光文社

 

午後十二時十六分。ピーナッツかりんとう、紅茶。目を覚ましたらもう正午で跳ね起きざるを得なかった。だいたいいつも二度寝(自覚あり)を数度繰り返しながら正午を迎えるんだが。きょうはなにか悪いことがあるのかもしれない。きのう祝日だったことを午後六時の「別れのワルツ」で知った。ホームを開くと勝手に表示される「MSNニュース」を目に入れるのが苦痛になってきた。特に週刊誌系およびネットメディア系の記事の質が悪すぎる。政権党より瀕死寸前の弱小野党の「失態」ばかり嘲笑したり叩いたりしてんだから。こわくない相手を選んでいる。ビジネス化しているぶん「いじめ」よりもずっと厄介だ。野党や市民団体などへのネガキャン的記事を出すと「お上」からなんらかの「ご褒美」が出るのかも。権力には金が集まるからな。だいたいこんなものが目に入るようにしてあるからいけないのだ。いわゆる「情報リテラシー」の低い「素朴」なPC利用者が半ば強制的に見せられる各種ポータルサイトのああした低劣無残内容空疎な記事が「世論」形成に一定の影響を及ぼしているのだとすれば、単なるアテンション・エコノミーに基づくこうした記事配置を黙認するどころか、むしろ収益のために利用してさえいる運営側の罪は重い。ポータルサイトが国家のプロパガンダ装置になる日もそう遠くないかもしれない。倫理や道義性より収益を優先するゴミ記事量産系メディアや、そのゴミ記事をゴミ記事として分類できないプラットフォーマーに、未来はない。もう設定を変えよう。というかブラウザを変えてもいいかもしれない。判断が遅すぎた。さくや見たのはNicholas Muñoz『エステは映画を作らない(Este Does Not Make a Movie)』。アマチュア映画製作者エステヴァンが、地元のインディーズ映画のディレクターとして雇われるも、そのアーティスティックな提案が撮影現場では受け入れられず、じょじょに狂気を露呈させていく、というふうな「メタ映画」。手振れがハンパないうえに、自動生成の字幕なので、最初は「俺は何を見させられているんだ?」の連続でいささか苦痛を強いられた。こういうエステヴァン的悲哀というか鬱憤はどこにでもある。現実的・商業的要請なんか無視して自分の「美的センス」を爆発させたがる男はどこにでもいる。俺もきっとそうだ。世界中のアマチュア芸術家はきっと「エステヴァンは私だ」と思わさせられることだろう。それなりの不快を伴いつつ。生成AIがこれほど「人間並み」の文章を作れる時代になったにもかかわらず、Webライターとして食っていこうとしている人はまだ多い。Webライターとしてそれなりに小銭を稼げている人たちは、「自分の書きたいことだけ」を書いているのではない。職業作家になりそこなった自称〝不遇の天才〟たちに作家ごっこをさせるほど依頼者側も暇ではないし酔狂でもない。世の二流三流のWebライターたちは、なんらかの〝需要〟のある記事を書いているのだ。そのなかにはリライト主体の「ゴミ記事」に分類されるべきものもまだ多いだろう。でもそういう種類の「ゴミ記事」はもうたいてい〝チャッピーにおまかせ〟的に作れてしまうので、こんごは取材・調査・体験ベースの「著者依存性」の強い(AIでは代替しにくい)記事でないともう売れなくなっていくだろう(というかもうそうなっているはずだ)。こんなのは実は当たり前のことなのだ。橋本治の書くものが僕にも書けるのであれば橋本治なんて必要がない。少なくともいまの僕には「文章で食っていく」という発想がないので、「どういうオウンドメディアを作ろうか」とか「クラファンでも実施して〝取材費〟を集めようか」なんて具体的(僕からすればそれさえまだ願望的・抽象的なんだけど)なことを考えることもない。とくに後者のようなことに関しては、「そんな乞食的なことをしたくない」と超絶ワガママな僕は最初から思っている。「説明責任」を負わされるのも嫌だ。幼児というのは「生活」のことを具体的に考えなくても済む者のことなんだな。両親という「財源」がもし頼れなくなっても、福祉に頼ればよい。俺のような者をちゃんと食わせることさえできない社会や国家など死滅すればいいのだ。だいたいアラフォーにもなってまだ幼児的な人間がいまさら「大人」になる必要などあるだろうか。もう「手遅れ」だろう。これは自嘲というより自慢である。自虐というより自尊である。俺の「生き方」をマネできるものならやってみろ。そろそろご飯炊くか。いまババアが部屋番号をちゃんと確認せずに俺の部屋のドアを間違えて開けて、目が合って、なにも言わずに閉めやがった。М字開脚全裸オナニーをしてなくてよかったとしか言いようがない。でもこれ賃貸ではたまにあるんだよ。ヤバいやつが隣に越してきたのかもしれない。あのババアが清掃業者の一人であることを願うが、たぶん違うだろう。そんな服装ではなかった。これがさっき予感した「悪いこと」だったのか。こんな低家賃のアパートに越してくるやつに品性や礼節なんか求めてもしようがないのは分かっている。おれ? 没落貴族。没落貴族にふさわしい死に方は絶食による衰弱死だ。ポコチンがくさい。なにもかもがだめだめだ。だめだめ光線炸裂だ。